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証憑綴りを作りましょう-経理の基礎3-

現金の管理や支払管理が出来るようになってくると、領収書や請求書が手許に溜まってきます。この領収書や請求書など支払の証拠となる書類などを経理では「証憑(しょうひょう)」と言います。この証憑を効率よく整理する方法をいくつかご提案します。

1、伝票と一緒に保管する。

これが一番簡単でスピーディーです。伝票を起票・作成したときに、伝票の裏側に貼り付ける、伝票と一緒に綴じ込む。伝票を日付毎、番号・処理順に綴じ込んでおけば、伝票証憑綴りが完成します。

2、証憑を日付毎に綴る。

これは証憑綴りを作成する方法です。裏紙でも何度も良いですので、領収書や請求書を日付毎、処理順に貼付、綴る方法です。この方法ですと、伝票毎に綴る手間は省けて、まとめて綴じ込めるというメリットがあります。デメリットは、証憑と対応する伝票や仕訳を探すのに手間がかかります。実務上は日付毎の証憑綴りを月次でまとめてファイルして保管することが多いので、この方法が一般的になっています。

3、仕訳と対応させる良い方法はないか?

1と2は、処理毎に綴る、仕訳との対応を特定するのに手間がかかる、という欠点がありました。この欠点を克服する方法はないでしょうか?

経理ソフトには仕訳帳や伝票一覧が出力出来る機能があります。これを使って証憑綴りを仕訳と対応させましょう。仕訳帳や伝票一覧表を日次や週毎に出力して、2の証憑綴りに綴じ込みます。綴じ込むときに、仕訳帳(伝票一覧表)を見出表の様に使って、仕訳帳+証憑綴りとして綴じ込みます。証憑が多い場合は日次で、少ない場合は週毎、月次で仕訳帳を出力すれば済むでしょう。これで、仕訳と証憑が連携します。

実務の経験から、仕訳帳や伝票一覧表を印刷し、その裏面に証憑を貼り付けて管理している会社もあります。実務の担当者は、慣れてくると、そろそろという感じで仕訳帳などを出力して貼り付けています。経験が物を言うという典型ですね。

証憑綴りを作成するメリットは、税務調査対応もあります。税務調査があった場合、上のような証憑綴りを作成しておくと、調査官の印象も違い、対応もスムーズです。調査官は証憑綴りを通査して、質問し、判りました、問題ありませんね、と帰ってくれたケースもあります。何か特定の問題があって調査があった場合にも、証憑綴りを作成しておくことで、対応がスムーズに行えます。調査の時間短縮にも繋がりますね。

証憑綴りを作成する際に、留意点がもう一つあります。「証憑の二重使用禁止対策」です。証憑を綴じ込むときに、必ず証憑の隅に、「済印」又は「処理担当者の認印」を押印しておくことです。手書きで、「済」と書いても良いです。手書きの場合は鉛筆でなく消えないようにボールペンで書きましょう。経費の流用の手口として、「証憑の二重使用」が行われることがあります。不正防止の関連からも重要なことです。会計監査に長年従事してきた経験から、上場会社などでも「二重使用禁止対策」が不完全なケースが散見されました。この、「二重使用禁止」覚えてください。

証憑が溜まってきたら、証憑綴りを作成しましょう。

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