電子申告は便利?それで良いのか?
確定申告も終了し、3月決算の申告も完了しました。
最近は電子申告を利用される方が多いのですが?本当に便利なだけで良いのか?と思うことがあります。
電子申告には利用者IDが必要です。この利用者ID、「利用同意書」を取り交わし、税理士が代理人として取得することが出来ます。依頼者のお客様は税理士にIDを取って貰って申告しているケースが多いです。
税理士としては、利用同意書を入手していても、お客様に対して利用者IDとPasswordをしっかりと伝えないといけない、と思うケースがまま発生します。新規のお客様からお教え頂いたIDで電子申告を行ったところ、利用できません、というメッセージが来るケースがありました。
エラーの原因として考えられるのは、
- 前任の税理士さんが関与終了時に登録を解除した。
- 利用者IDが間違っていた。
の2点です。
小生は思いました。
- 利用者IDに関する情報はお客様にすべて伝える。
- お客様に出来るだけご自身のIDにログインして頂き、e-taxのメッセージを見て頂く。
- 関与先を引き継ぐときは、お客様に利用者IDに関する情報を再度お伝えし後任の税理士さんに引き継いで頂く。
読んで頂いた方の中で、当たり前のことと思われる方も多いと思います。でも現実は上のようなことが起こっています。
電子申告の現状を考えると、問題は、利用者IDを税理士が代理取得しているようなケースでは、納税者である利用者はID情報に関心がない。申告に行かなくて済むのが電子申告、と思っている方が多いことです。
電子申告の当事者はあくまでも納税者であること、税務署に行く代わりにインターネットで申告するという意識を納税者に持って頂く必要がある。ということを強く感じました。
利用者IDが代理で取得できるのは、納税者も税理士も便利ですが、便利ということだけで良いのか?チョット考えてしまう今日この頃です。
電子申告を普及させて発展させるためには、何でも税理士に頼む、お任せ申告では申告制度自体の意義が薄れるようと思います。税務署も「税務ガバナンス」という問題を考えているようではありますが・・・。
もちろん、個人でIDを取得して、ご自身で申告書を作成する方(サラリーマンや事業者)には提出書類を省略できる便利な制度だということは判っています。