tel.048-813-1023
電話受付
9:30~17:30
定休日
土日、祝日
相談・お問い合わせ

所長コラム

POSTCOLUMN

役立つメモ

「中小企業の会計に関する指針」の適用に関するチェックリスト(その4)

「中小企業の会計に関する指針」の適用に関するチェックリスト(その4)

チェックリストの各項目の意義、(その4)として、外貨建取引等・株主資本等変動計算書・個別注記表について、各チェック項目の意義、確認事項の背景にある会社法の計算規則などを示してみたいと思います。

今回のコラムの外貨建取引等については、会社計算規則、企業会計原則には特段の規定はありません。「外貨建取引等会計処理基準」に拠って規定された処理に拠ります。

外貨建取引は取引の発生時の為替相場で計上することを基本としています。金銭債権債務や現金預金は決算時の為替相場で円換算されます(ここで為替差損益が発生します)。子会社株式や固定資産などは取得時の為替レートのまま計上されます。この基本的な考え方を覚えておけば良いと思います。

株主資本等変動計算書は会社計算規則に細かい点まで規定されています。自己株式の保有、優先株式を発行されている会社はこのチェックリストだけでは計算書類のチェックは難しいと思いますので、会社計算書類規則を精読してください。

個別注記表に関しては会社の状況で開示すべき会計方針や注記内容が異なります。これも会社計算規則第98条から第116条までを精読して判断することが本則です。

中小企業の場合、注記すべき事項は「重要な会計方針に係る事項に関する注記」(第101条)を基本にすれば大丈夫でしょう。重要性を判断して、貸借対照表等に関する注記(第103条)、損益計算書に関する注記(第104条)、1株あたり情報に関する注記(第113条)などを斟酌して注記を検討してください。

ここで重要性という言葉が出てきました。重要性はどのように判断するのでしょうか?
開示する決算書を読む人にとって重要な情報を開示するというのが重要性の判断です。残高が大きい科目、計上額が大きい損益等はその科目に係る注記すべき事項があれば注記するということです。この判断は質的な重要性もあるので、金額の何%が重要と言い切ることは出来ません。顧問の先生などにも相談して検討してください。

ここまで4回にわたって、チェックリストを条文に対応させて読んできました。その中で考えたのですが、チェックリストを利用することはもちろん有意義ですが、やはり、その背景にある会社計算規則などの条文を読むことが大切だと思いました。どうかチェックリストにチェックマークを付けることだけに拘泥せず、そのチェック項目の意義をもう一度お考えください。

今回で、チェックリストの各項目の意義についてのコラムは終了です。

皆様のお役に立てれば幸甚です。何かご質問やお気づきの点があれば、弊所のお問い合わせメールでお送りください。あらためて、読んで頂いた皆様にお礼を申し上げます。

 

勘定科目

確認事項

外貨建取引等

50

外貨建取引が行われた場合、原則として、取引発生時の為替相場による円換算額により記録されているか。

51

外国通貨又は外貨建金銭債権債務(外貨預金を含む。)がある場合、決算時の為替相場による円換算額が付されているか。

52

外貨建ての子会社株式及び関連会社株式がある場合、取得時の為替相場による円換算額が付されているか。

確認事項の意義

外貨建取引等会計処理基準、会社法431条

株主資本等変動計算書

53

株主資本の各項目は、当期首残高、当期変動額及び当期末残高に区分され、当期変動額は変動事由ごとにその金額が表示されているか。

確認事項の意義

会社計算規則第96条7項

54

株主資本以外の各項目がある場合、当期首残高、当期変動額及び当期末残高に区分され、当期変動額は純額で表示されているか。

確認事項の意義

会社計算規則第96条2項1号ロ、第96条5項及び8項

55

発行済株式及び自己株式について、その種類及び株式数に関する事項が注記されているか。

確認事項の意義

会社計算規則第105条1項1号及び2号

56

剰余金の配当があった場合、当期中の支払額及び翌期の支払額が注記されているか。

確認事項の意義

会社計算規則第105条1項3号

個別注記表

57

重要な会計方針に係る事項について注記されているか。

確認事項の意義

会社計算規則101条、会社計算規則98条

58

会社の財産又は損益の状態を正確に判断するために必要な事項がある場合、それが注記されているか。

確認事項の意義

会社計算規則101条1項5号、会社計算規則98条、会社計算規則第116条

 

 

ページトップへ